最近、10年間入っていた終身保険を解約しました。
理由は、終身保険を金融商品と見た時に内容がクソだったから、です。
今回はその理由について、(自分に対する)怒りとともにお伝えします。
そもそも終身保険とは
終身保険とは、
②解約返戻金がある(お金を積み立てているよ、という意味)
のが特徴の保険であり、「掛け捨てじゃない」を謳い文句に売られている保険商品です。
私の現時点の考えは、「保険はその時点の自分にあった保障を買うもの」であり、「一生保障する必要なんて、そもそもない」です。
(40歳で死ぬならまだしも、例えば95歳で死んで、その時に家族は何千万も要ります? 要りませんよね?)
だから「保険は掛け捨てでええんや」。
それが私の考えです。
気づいたキッカケ
投資を始めて、複利の凄さを知った
複利効果とは
株でも不動産投資でも、投資した金額の何%を毎年リターンとして得られるか、を「利回り」とか「年利」と呼びます。
例えば100万円を投資信託に投資して、年利5%で運用することができれば、金融資産は毎年5%ずつ増えていきます。
このとき重要なのは、100万円の5%つまり5万円が毎年増えていく(単利)のではなく、毎年前年の資産×105%に成長していく、ということです。
複利=元本と、前年の利子をあわせた金額に対して利子(リターン)がつく
投資で年利4%は狙えるという事実
FIRE(Financial Independent Retire Early)を狙うためによく言われているのが、年利4%で運用した利益で生活できるように設計すること。
つまり、なるべくリスクの少ない運用をして狙える年利が4%だということです。
私は2018年から不動産投資と投資信託を始めましたが、投資で4%を狙うのはそんなに難しくありません。
むしろ不動産ならば、ローンを使ってレバレッジを効かせますので投入した金額に対する利回り(ROI)は15〜30%は狙えます。
(補足:不動産で複利で増やすには不動産を定期的に買い続けて再投資する必要があります)
投資信託にしても、短期間ならば難しいかもしれませんが、長期で分散して運用すれば年利4%は目標としては低いです。
そもそも、アメリカの株価指数であるS&P500の成長率は平均年8.8%。
※出典 investing.com
つまり、S&P500を買っておけば、毎年年利8.8%で資産が膨らんだということ(過去において言えば、ですが)。
ちなみに、年利8.8%で100万円を運用した場合、30年で以下の金額になります。
年利:8.8%
期間:30年間
いい感じで増えていますね。
終身保険がクソである理由
今回、私は25歳の時に入った終身保険を見直しました。
外資系の保険会社のもので、毎月17,040円も払っていました。
保険の内容は
私の入っていた保険の内容は以下の通り。
終身保険:13,938円/月
合計:17,040円/月
終身保険は一生涯、いつ死んでも1000万円が入ってくるよ、というもの。
障害特約をつけていたので、高度障害を負った場合は+1000万円=2000万円です。
掛け捨て部分に関しては、死亡時・高度障害時には2054年までの間、毎月家族に8万円が入ってくるよ、というもの。
これは、若くして死んだ時には残された家族に対して長く保障が必要だけど、年老いた後であれば必要ないんじゃね? つまり死んだ年齢に応じて保障金額を変えた方がいいよね、というもの。
私が入っていたのは終身保険と家族保障の掛け捨て保険を掛け合わせた内容でした。
25歳の当時としては、良い保険に入っている、と思っていました。
でもそれは投資の勉強をする前のこと。
今思い返すと「私ちょっとアホだったんちゃう?」って感じです。
マジで、お金の勉強は、子どものころからせんといかん、と思います。
32年間は運用益がマイナスの金融商品、それが私の終身保険
終身保険部分についてお話しすると、この終身保険は一生涯保障をしてくれる+お金は積み立てられ、解約した際に積み立てたお金が戻ってくる、というもの。
これが「掛け捨てでない」と言われる所以です。
この解約返戻金とは積み立てたお金ですが、一定期間が経過しないと、払い済み金額を上回りません。
私の買った商品の場合、57歳でやっと払い済み金額を上回ります。
25歳で入りましたから、32年間は解約するとマイナスになって戻ってくるんです。
グラフにしてみました。
こんな感じです。
ずーっとマイナス。
つまり、金融商品として見た場合、32年間は運用益はマイナス、それ以降、やっとプラスになる商品、というわけです。
もうこの時点で「こんな金融商品あっても買わんわ」という感じです。
これがSBI証券の「投資信託」の欄に並んでいても買わないでしょう?
年利が0.9%なんて雑魚過ぎる。
では、プラスになった後の運用益はどうでしょうか?
計算してみました。
57歳でプラスに転じて以降、解約返戻金は上がっていくのですが、それは実質、年利いくらで運用したことになるのか?
75歳の時に809万円。
年利は約0.93%。
85歳の時はもう少し上がって892万円。
年利換算すると0.96%です。
1%に満たないんです。
信じられますか?
25歳の時から毎月13938円、65歳までコツコツコツコツ40年間も積み立てて、そこから20年間も待って(合計60年)、85歳になって、さあ受け取ろうという解約すると、年利1%以下の運用益しか増えていないんです。
もしも保険会社がS&P500に投資していたとすれば、残りの7.9%の運用益はそのまま保険会社のものになります。
利益の9割が保険会社、1割が保険を買った人、という割合です。
40年も長期投資するなら、株で勝てるわい
そもそも日本人には「株は怖い」「貯金するのが一番安全」という意識が強いのですが(私もそうでした)、それというのも1991年にバブルが崩壊してからの20年間(いわゆる失われた20年)株価は上がらず、続くデフレにより現金の価値が上がっていったことが要因と考えられます。
過去の日経平均株価 出典 investing.com
これを見てると、もう地獄のボラティリティです。
日経平均だけ見ると「株は上がらないもの」と思っていても仕方がないですね。
日本は上がっていませんが、先ほどグラフでもお見せしたように、アメリカの株(S&P500)は過去50年間右肩上がりです。
では、世界はどうでしょうか?
変動幅はありますが、結論として世界の株価は上がっています。
長期投資だと安定している投資対象=株
株式投資家として有名なジェレミー・シーゲル教授もこう言っています。
短期では最も変動幅が大きいが、
長期では最も安定している。
株って毎日変動します。
2020年はコロナ禍により、超ざっくり言うと、3月に世界でドーンと株価が落ちて、その後上がってきて、秋になると日本では決算ですから10月末にまたちょっと落ちて、でも大統領選後にリスク・オンモードになってまた上がって、と、アップダウンが超激しい年でした。
コロナじゃなくても、株価は日々上げ下げします。
これが、株に手を出しづらい理由のような気がします。
今日買ったものが、明日マイナスになっていてもおかしくないから、というか、マイナスになることは多々あります。
それがリスク(変動幅)です。
短期的に見ると株はリスクがとても大きい投資対象です。
ですが、長期的に見ると、安定して成長しています。
こちらの記事に分かりやすいグラフがありましたので、よかったら見てみてください。
https://www.wealthnavi.com/contents/column/53/
世界のGDPは上がり続けており、インドなどの新興国の一人あたりGDPが2000ドル程度で、まだまだ先進国の10分の1以下です。
ですから先進国がそれぞれ一人当たりの生産性が増していき今後少なくとも10倍にはなると考えると、インドだけでもGDPは10倍(人口も右肩上がりですし)。
人口が13億人なのを考慮すると、一人当たりGDPが4倍になっただけで今の中国と同じくらいのGDPになる計算になります。
つまり、何が言いたいかと言うと、まだまだ世界経済には成長余地があるっていうこと。
GDPが上がる、つまりざっくり言うと企業の売上の合計値、が上がるということなので、株価も上がります。
(正確には「GDP=民間消費+民間投資+政府の支出+(輸出ー輸入)」)
100万円を年利5%で運用したら30年のリターンは?
計算したグラフがこちらです。
30年で432万円。
預金として置いておくよりずっといいですね。
年利10%の場合のリターンは?
計算したグラフがこちら。
1800万近くまで成長しています。
ちなみに、これらは元本だけを運用した合。
積立投資の場合は毎月いくらか積み立てます。
では、5%、10%で運用しながら月々1万円を積み立てた場合はいくらになるでしょうか?
まずは5%から。
10%の場合はこちら。
すごい金額になっていますね。
毎年12万円×30年分ですから、元金は合計460万円。
ですが年利10%で運用すれば30年で9倍のリターンが得られます。
年利10%は難しいかもしれませんが、日本、アメリカ、先進国株を合わせて、6〜7%あたりであれば十分に狙えるのではないでしょうか。
答えは「掛け捨ての保険」+「自分で資産運用」
長々と書いてきましたが、保険を否定しているわけではありません。
保険は必要です。
ですが必要なのは、「保障」だけ。
積立の部分は金融商品として見た場合にはクソなので、私の場合の結論はこちら。
掛け捨てで「保障」を買い、
積立は自分でしっかり投資・運用すべし。
読んでくださり、ありがとうございました。