『読んだら忘れない読書術』樺沢紫苑

『読んだら忘れない読書術』書評・レビュー

日常的に本を読んで知識を身につけたいと思っていても、常にモチベーションを高くバリバリ読書するのって難しくないですか?
私は難しく感じてます。
「読むぞー!」とたくさん本を用意していても、翌週には積読状態になっていたり……
そんな時には読書本・勉強本をパラパラとめくると、本を読むことの素晴らしさを再実感させてくれるのでオススメです。
読書本を読んでテンションが上がると、また本を読み始めることができます。

今日は最近、図書館で借りて読んだ『読んだら忘れない読書術』がモチベーション・テンションを上げてくれたのでご紹介します。

精神科医が書いた読書本

著者の樺沢紫苑さんは精神科医であり、著書は20冊以上、メールマガジン、Twitter、Facebook、それにYoutubeでも発信しまくっている「知の巨人」さんです。
メルマガを毎日発行し、YouTube・Facebooにも毎日投稿って、信じられません……
曰く、「圧倒的なアウトプット」を支えるのは「圧倒的なインプット」が欠かせないとのこと。
つまり読書のことですね。
読書でそんだけアウトプットできるんなら……
読書、しますわ! (このモチベUPが読書本の効果)

また樺沢紫苑さんは精神科医の先生なだけあって、読書のメリットをメンタルの方面からも書かれており、豆腐メンタル人間には刺さる1冊でした。

さて、ここからは本の内容の中で「重要」なポイントを紹介していきます。

本を読むのは何のため?

ズバリ「自分を成長させるため」です。
だから、「記憶に残らない読書は意味がない。記憶に残る読書をしよう、その方法を紹介するよ」というのが本書の内容。

読書のメリットは沢山

記憶に残る読書の方法の前に、読書のメリットについても述べられています。
それぞれエビデンスがあるので説得力あり。

読書によって頭が良くなる

脳科学研究によって、人間の脳は一生、細胞分裂し、成長し続けることがわかっています。
著者自信も、学生時代は勉強の得意な生徒ではなかったけども、今では同級生たちが驚くようなアウトプットをしています。
それは読書の効果による、と実感があるそうです。

脳を鍛えることができるのは「運動」「読書」
「運動」についてのエビデンスは『脳を鍛えるには運動しかない! 最新科学でわかった脳細胞の増やし方』ジョンj・レイディ、エリック・ヘイガーマン著を参照とのこと。
読書については『15歳若返る脳の磨き方』苫米地英人著の中で「IQの高さは読んだ本の量と正比例している」と紹介されており、アメリカのアイオワ州大学でも研究によって同様の結論が出ています。

読書量と年収は比例する

本書によると、お金と成功も読書で手に入る、とのこと。
データで「月の書籍代」と「年収」が比例していることが示されています。
また成功している経営者はほぼ読書家です。
確かに、FBのマーク・ザッカーバーグさんも、ジェフ・ベゾスさんも読書家で有名ですよね。
日経新聞の「リーダーの本棚」を読んでいても、経営者や著名人の方が読書家なんだなとわかります。
(ちなみに、男性が多いからか、司馬遼太郎と深夜特急あげる人めちゃ多いなーと思いながら見ています)

読書でストレスと不安から解放される

理由は2つ。
①読書によって対処法、解決法がわかるから。
これは……言ってることはわかりますけども、本当に苦しい時って「それどころじゃない」んですよねえ。
私は2番目の理由の方がありがたいと思いました。

②読書によってストレスが3分の2以上減少する
イギリスのサセックス大学の研究で明らかになったそうです。
なんと、読書しただけでストレス軽減するなんて……
読書を習慣化しておくだけで、日々のストレスが減少するということ。

はい、わかりました。
読みますとも。

記憶に残る読書術とは

いよいよ本のタイトルにもある「記憶に残る読書の方法」ですが、重要なのは2つです!

重要ポイント1「アウトプットする」

一週間以内に3回のアウトプットで忘れない

本を読んだら一週間以内に3回アウトプットすると記憶の定着率が高まるとのこと。
アウトプットする方法は以下の4種類。

①本を読みながらメモ。マーカー。
②本の内容を人に話す
③本の感想、気づき、名言をTwitterでシェア
④書評、レビューを書く

発信と、本の内容を記憶に残すためのアウトプットを絡めているので、一石二鳥だな、と思います。
有名なブロガーのパレオな男さんでも、最強の勉強法は「検索練習」と述べられていたので、結局、「読んだ内容を忘れないうちに何度思い出すか」なんですね、きっと。

重要ポイント2「スキマ時間を使う」

ウルトラマン読書術

制限時間があると集中力があがり、脳のパフォーマンスを発揮するそうです。
さらに制限を加えることで脳でドーパミンも放出されるので、記憶に残りやすいとのこと。
脳が重要情報だと判断し記憶に残す際、トリガーとなるのは「心が動いたこと」「何度も利用すること」
前者の「心が動いたこと」の基準として脳内物質が使われるようですね。
実際、ドーパミン・アドレナリン・ノルアドレナリン・エンドルフィン・オキシトシンの5種類については、記憶力のアップが科学的に確認されているそうです。

多読よりも「一冊のホームラン本」

著者は「くだらない本を多読・速読するよりも、1冊のホームラン本が大事」と述べています。
理由はやはり、「読書は自分を成長させるため」にするものなので、10冊のくだらない本よりも1冊のホームラン本の方が自分を変化させてくれるから。
だから、ホームラン本に出会うことが大事だと。
記憶という面から見ても、10冊のなんでもない本よりも1冊のホームラン本の方が残りますよね。
そして、ホームラン本に出会うために重要なのは以下のポイント。

自分のステージに合った本を読む。

本を読まない人ほど、基本をすっ飛ばして上級者向けの本を読みたがります。
自分がその分野の初心者ならば、入門書から読むべきです。

これは、確かに……と思いました。
私は読書する方だと思いますが、それでも、いきなり『存在と時間』とか『論語』とか「ブッダの言葉』とか買ったことありまくりです。
もちろん挫折しました。
挫折したのは、いきなり過ぎたんだな、と納得しました。

人が推薦する本を読む

特に、自分の「なりたい人」が書いた本や「なりたい人」が勧める本を読むのが良いでしょう。
勉強法として「私淑」は昔から言われていることですが、つまり「なりたい人」に私淑する、ということですね。
確かに、「自分を変化させる」という点でいうと、「なりたい人」の関連本は他の本とは影響力が違います。
より自分が成長できそうですね。

以上『読んだら忘れない読書術』レビューでした。
読書を習慣にしたいけど難しいと感じている人、すでに本を読むのが好きな人にオススメ。
読書の魅力やメリットが落とし込め、今後の習慣・人生を変えられる一冊です。

【目次】
第1章 なぜ、読書は必要なのか? 読書によって得られる8つのこと
第2章「読んだら忘れない」精神科医の読書術 3つの基本
第3章「読んだら忘れない」精神科医の読書術 2つのキーワード
第4章「読んだら忘れない」精神科医の読書術 超実践編
第5章「読んだら忘れない」精神科医の本の選択術
第6章 早く、安く、たくさん読める究極の電子書籍読書術
第7章「読んだら忘れない」精神科医の本の買い方
第8章 精神科医がお勧めする珠玉の31冊

 

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