こんにちは。フタガワです。
今日は、最近読んだ本『無気力の心理学』の感想とともに、なぜ私が「退職を繰り返すか」について考察してみます。
自分の傷口をえぐるようで吐きそうです!
人間の本質は「能動的で好奇心に富み、生き生きと環境と応其交渉しつつ熟達を求めていく存在」であるにも関わらず、人は「どうせダメだ」と無気力になり、意欲的に環境を変えようと行動しなくなる……これはなぜなのか、様々な論文・実験を引き合いに出して「意欲的に」書かれたのがこの本です。
人間はどうやって無力感を獲得するのか、無力感を獲得した人間はそうでない人間と比べて何が違うのか、効力感を得るためにはどういった経験が必要なのか。
「無力感」という言葉を見て何かしら思い当たることのある人は、読んでみると得る物が多いと思います。
ちなみにこの本、1981年の本なんです。
2018年までに31刷、2020年に改訂版の初版。
今回、図書館で借りた本は2020年改訂版の初版でした。
私が生まれる前の古い本ですが、内容や描かれている社会的背景にもあまり古さを感じませんので、きっと「無気力」に関連するエピソードは昔も今も変わらないのだと思います。
文章も読みやすいですし、書かれている内容は、生きてく上で超重要。
今の会社を辞めたら退職3社目。
私の経歴を簡単に紹介すると、こんな感じです。
2社目 勤務3年で退職。
3社目 8ヶ月で退職。
4社目(今) 現在4年2ヶ月。休職中。辞めそう。
辞め過ぎです。
倒産は仕方ないですが、私が人事なら「ちょっとこの人危ないな」と思う対象です。
……うーん、やばいな。
会社員であることへ警鐘を鳴らしておきながら、「やっべーな」と思うこの矛盾。
(『会社に守られて私たちが奪われているもの。人生の機会、経験、そして自由。』)
なんなんでしょうね。
やばくないはずだよ!
きっと大丈夫だよ!
人が無気力を獲得するとき
会社勤めという意味では、私は働く意欲を失くしています。
投資で生きていけんじゃん。
お金のために体壊す意味ある?
……あれ?
これって……あの「無気力」じゃないですか!?
今回で言うと、疲れ果てて鬱っぽくなったのとは別に、休職中に子宮内膜ポリープが見つかって手術したこと、甲状腺機能低下で薬の服薬を開始したこと、乱視が発覚して人生初の眼鏡を作ったこと、が5ヶ月の間で出てきていて、「ストレスちゃう?」と……実際どうなんでしょう。
犬の実験
無気力に関して、セリグマンの犬の実験が有名です。
第二グループは自分の行動によってショックを止めることができません。
第三グループは一切電気ショックを与えられません。
その後、3つのグループを実験箱に入れ、「柵を飛び越えれば回避できる」電気ショックを与えます。
そうすると第二のグループ、つまり「自分の行動によってショックを回避できない」という経験を持ったグループにおいてのみ、電気ショックから逃れるために柵を越えませんでした。
何もせぬまま、電気ショックが止むのを待っていたのです。
つまり、回避できない苦痛刺激に繰り返しさらされることは「環境に能動的に反応する意欲を低下させ」、さらに「学習する能力を低下させ」、あげく「情緒的にも混乱させる」。
まったく、いいことなしです。
※動物好きには読むたびに心が痛む実験エピソードですが、もう行われてしまった過去の実験ですので……ご勘弁を。
努力起因傾向の人は失敗しても粘り強く挑戦する、でも能力起因傾向の人は……
『無気力の心理学』では、自分の行動で回避できない苦痛の他に無力感を形成するものとして、他に「失敗」もあげています。
失敗にもとづく無力感
失敗した時の反応として、まず原因が「外部」にあるのか、「内部」にあるのかで分かれます。
さらに内部にある解釈した場合にも「能力」にあるのか、「努力」にあるのか、どちらに解釈するかで違ってきます。
ドウェックが小学生に対して行った実験では、失敗の原因が「能力不足」にあると思えば意欲は低下し、「努力不足」にあると解釈した者は失敗に対して粘り強く課題に対して取り組めました。
つまり、失敗に対して「能力起因」で考えると、無力感を形成してしまうのです。
なぜ会社を辞めることを繰り返すか、の原因を推察
私の自己評価
私の自己評価は以下の通りです。
・頭はそんなに悪くなさそう
・コミュ力もそこそこある
・好奇心旺盛で行動力もある
・ストレス耐性が弱い
基本的に自己評価「甘い」です。
勘弁してください。
ですが甘い自己評価の中でも、ストレス耐性だけはネックだと思っています。
ストレス耐性が弱いから、「管理職になってストレスにさらされた時に体を壊してしまう」と解釈しているのです。
そう……私は体調不良からの退職を、能力起因にしています。
危険!
基本的に自分の能力のせいにしがち
何かあった時に私は、外部ではなく自分に原因を探します。
そして自分の中でも、努力ではなく、能力・特性に原因を求めてしまいます。
退職を繰り返すたびに形成された自己評価
そもそもストレス耐性が弱いって、いつから思い始めたんでしょう。
なぜなら新卒のころ私は、自分は丈夫だと思っていましたから。
1社目が倒産した後に転職した2社目では、自己紹介に「元気だけが取り柄」と書いていました。
それなのに今は、「元気じゃないところだけが弱み」と思っています。
ストレス耐性が低いから、「会社で頑張っても無駄」と思っている節、あります。
でも思うんです。
すべてを能力起因で解釈して意欲を失っているなら、こんなにもったいないことはないって。
よーし、自分の能力不足ではなく、他の解釈をしてみよう!
他の解釈① 外部要因のこともある
もしかしたら本当は外部要因かもしれませんよね。
というわけで、外部要因、何かあるかなーと考えてみました。
……これ、めっちゃ当てはまります。
2社目も3社目も、鬱で辞める人がとても多い会社でした。
4社目の今は、会社自体はホワイトなのですが、休職前にいた部署だけ休職者が続出するブラック部署でした。
あれ……自分のストレス耐性が低いせいだと思ってましたが……外部要因も……ある?
他の解釈② 努力では何ともならない「不向きな」分野もある
これは『無気力の心理学』でも触れられている要注意ポイントで、努力至上主義に警鐘を鳴らしています。
すなわち、努力ではどうともできない分野もある、と。
不向きな分野で努力すると、莫大な時間とエネルギーを使ってしまって、ともすれば生活に支障も出る、と。
ですから、「自分の向いている分野を見つけること」を奨励しましょう、という内容でした。
この解釈であげるとしたら……「会社員という働き方が不向き」「200〜300人くらいの規模のIT企業というフィールドが向いていない」などなど、原因があげられます。
他の解釈③ 努力起因
「頑張りが足りなかったから」かー……
これを理由にするのは辛いですね。
なぜなら「体が悲鳴をあげるまで頑張ったから」。
2社目3社目は、今回の休職前に比べると体の不調も軽かったのでもう少し頑張ればなんとかいけたかもしれませんが、今回はマジで「体が悲鳴をあげるまで、むしろあげた後も契約結ぶまでの3ヶ月間」頑張りましたから。
体は悲鳴をあげ続けてました。
あれ……目から水が……
うーん、努力の方向性を間違ったのかしら。
それとも、仕事はてきとーにして自分の体を壊さない努力をするべきだったのかしら。
自分の意欲を上げるには
『無気力の心理学』を読んで私が得たかったものは、
です。
本書を読んだ結論として、それは以下のように行動することです。
①自分で行動を選択し、
②自分の行動には外部から報酬や外的評価をつけさせず
外部からの報酬や評価は、行動への興味・意欲を低下させることが実験でわかっています。
例えば絵を描くという行動の場合、絵に「ご褒美をあげる」と言われて絵を描き、その後ご褒美をもらった子は、何も言われず、ご褒美ももらわなかった子に比べて、その後再び絵を描くことが少ない、という実験結果があります。
③自律性の感覚を取り戻し、
自律性=自分の行動を支配しているのは自分である、という感覚です。
④効力感を獲得する
効力感=自分が努力すれば、環境や自分自身に好ましい変化を生じさせうる、という自信を持ち、生き生きと環境に働きかけ充実した生活を送っている状態をさします
会社勤めが続かない理由を探る意味
そもそも原因究明って意味あるの?
ハッキリ言ってどMな記事です。
なぜ自分が会社勤めが続かないか考察して記事にしてネットにさらすって、けっこう胃とかに刺さります。
ですが、意味はあります。
会社勤めが苦しい、しんどい、続かないっていう人、たくさんいると思うんです。
私の「会社員が続かない」原因については他にも「双極性障害だから鬱期にどうしても会社に行けない」とか、「嫌なことをする暇があったら好きなことしたい。人生暇じゃない、と考えている」とか、「単に会社員という体裁が合わない」とか、いろいろと理由は考えられます。
そして、いろんな切り口で考察できるし、その都度答えが導かれますが、きっと正解はないでしょう。
だってそれは、自分で決めることなんですから。
きっと理由を何にしたっていいんです。
その後の人生を、楽しく生きられるなら。
だから、いろんな切り口で自分のダメを考察して、その都度、何かしらの自分なりの解を出しますので、それが会社がしんどい人の参考になればいいなと思うんです。
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