うつ時々、躁

【書評】双極性障害当事者の闘病記『うつ時々、躁』レビュー

双極性障害と診断されながら、今まであまりちゃんと自分の病について勉強してこなかったので、とりあえずガンガン本読んでいきます。

1冊目は『うつ時々、躁』海空るり著。

著者は二児の母である女性で、14年前にうつ病と診断されたものの躁鬱とは診断されず、その6年後、8年前に双極性障害と診断されたそうです。

読んだ感想としては、とにかく読みやすい!

薄くて読みやすい

著者の海空るりさんも本の中で書かれていますが、うつでしんどい時に分厚い本なんて読めません。
だから薄い本にしよう、と思って書かれたそうです。

誇張もなく淡々と描かれていて読みやすい

双極性障害ってなんぞやと思って、昔、中島らもさんのエッセイを読んだのですが、らもさんの文章ですし、そもそも小説家ですし舞台もやってますしで一般人とは違う生活をしていますので、躁の時の行動がヤバ過ぎてあんまり参考になりませんでした。
誇張とまでは言いませんが、トリッキー過ぎです。

その点、この本の著者の生活は私たち一般人。
「子どもをお風呂に入れられない」「お正月の集まりの後に寝込んでしまう」とか、悩み・苦しみが想像しやすいので、読みやすかったです。

痛々しい表現がなくて読みやすい

精神疾患系の方のブログなんかでは、読んでて苦しくなる表現があったりするのですが、この本はそういう部分が全然なくて読みやすかったです。

……と、読みやすい点をあげてきましたが(しんどい時ってそれが一番大事な気がするので……)、この本に双極性障害で苦しむ人に役立つ情報も沢山書かれていました。
現在は著者は医者から「部分寛解」と診断されており、そこに至るまでの道のりを記してくれているからです。

●鍼治療で不眠が治った
●マインドフルネスで症状が和らいだ
●双極性障害の患者会に参加することで、前向きに生きていく知恵を学べた

などなど。

私も整体で頸椎の歪みを取ったら一気に楽になったことがあるので、東洋医学は侮れないな、と思います。
マインドフルネスに関しても、気になっていましたが体系的に学んだことがないので、これを機に挑戦してみようと思いました。
患者会も、今はコロナだからないかもしれませんが、調べてみようかな、と。

最後に、本の末尾に書かれている「患者の心得」を掲載しておきます。

①主治医を見つける
②病歴をまとめる
③薬物療法を受ける
④生活リズムを整える
⑤病気について学ぶ
⑥躁うつのコントロール
⑦心理社会的治療を受ける
⑧保管代替療法を受ける
⑨家族の協力を得る
⑩福祉サービスを活用する
11.同病患者との交流

【目次】
1 うつで倒れる
2 何が起きたのか
◇コラム 双極性障害とは
3 病と向きあう
4 少しずつ前に,でもまた後ろに
5 新たなステップへ
6 回復途上の悩み
7 病とともに,生きること
◇コラム 患者の心得
おわりに
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