暇だったので見始めたAmazonビデオの制作ドラマ『モダン・ラブ ~今日もNYの街角で~』。
1〜8話のそれぞれ登場人物の違うアンソロジーテレビドラマです。
監督は『ONCE ダブリンの街角で』や『はじまりのうた』のジョン・カーニー監督。
1話30分の短いドラマですが、シナリオ、キャストともにとても素晴らしく良いドラマでした。
『モダン・ラブ ~今日もNYの街角で~』予告
3話目『ありのままの私を受け入れて』では躁鬱病の主人公が描かれる
(以下ネタバレ含む)
アン・ハサウェイ演じる弁護士のレキシーは、そう状態の時に出会った理想の男性ジェフとデートの約束をしたのですが、出会った日の夜にうつ転。
ベッドから出られずにデートの日を迎え、頑張って出かけるものの、ダウンした状態なのは明らかで、ジェフに「双子なの?」と訝しがられる始末です。
レキシーは15歳の時に躁鬱病を発病し、学校を休みがちになりました。
ですが躁状態の時に頑張って成績をキープしていれば問題視されなかったので、大学卒業までそれでやり過ごせてしまいます。
就職してからは欠勤が理由で解雇されることはあるものの、弁護士としての能力は高く、躁状態の時には残業も厭わないので評価も高く、別の職場に転職すれば済んできました。
ですが、ジェフと再びデートをする約束を取り付けたその日、ジェフが迎えに来る寸前にレキシーはうつ転。
トイレの床から立ち上がることができず、ジェフはレキシーの秘密を知ることなく去っていきます。
さらに職場も欠勤を理由に解雇されたレキシー。
これまで誰にも躁鬱病のことを言ってこなかったのですが、同僚の友人とコーヒーを飲みにいき、初めて「躁鬱病なの」と打ち明けることができるのです。
「謎が解けたわ」と友人。
レキシーは打ち明けられたことで何かが楽になったのか、これまでの友人やボーイフレンドにも電話して秘密を伝えます。
そして、医者、薬との出会いがあり、今では別人格になることもなく抑えられています。
そしてその秘密(躁鬱病)を、ニューヨーク・タイムズのコラムに寄稿しています。
躁状態の時は人生がミュージカル
レキシーがジェフと出会うシーンは早朝のスーパーで、ミュージカルのように演出されています。
このシーン、超絶、共感します。
躁の時って、人生がミュージカルなんです。
キラキラしていて、カラフルで、リズミカルで、「もう歌うしかない」って感じです。
私も実際に歌うし踊ります。
ちょっと服がおかしいかも(躁)
それでレキシーはね、服もね、おかしいのですよ(爆)
金色の鯛の鱗みたいなスパンコールのキャミソール着て、コートを羽織って。
そして、思い返していました。
昔、躁の時、私は足にガングルーをつけて会社に行っていました。
ガングルーって、鈴が沢山連なった、楽器です。
↑これ
歩くだけでリンリン結構うるさいです。
(一応、東証一部上場の企業でした)
躁の時って、頭に花が咲いてるんです。
満開です。
躁の時は「鬼のコミュ力」
レキシーは朝のスーパーで会ったジェフに話しかけ、あっという間にデートのに出かけるのですが、こっちがハラハラするほどのコミュ力です。
躁の証拠です。
自分にも覚えがありまくりなのですが……
躁の時ってなぜあんなにコミュ力が高いんでしょう……
いつの間にかLINEやFBでつながっている人が増えています。
うつの時にはパーカーにノーメイク……
レキシーがうつ状態でデートに出かけた時、なんとパーカーにコートを羽織って、しかもノーメイクでした。
躁の時から一転して、うつの時には服装は地味な部屋着みたいなのに変わるんですよね。
ダボダボした格好をしだしたら、少しうつですね。
起き上がれずにドタキャン
ジェフが迎えにきた時、レキシーは「動いて!」と足を叩くのですが、歩き出せずにトイレに倒れます。
私も調子が悪くて飲み会をドタキャンしたり、友人が泊まりに来るのもドタキャンしてしまったことがあります。
本当に申し訳なかった。
ドラマ自体はコミカルに描かれており、またレキシーが同僚に心を開くことによって回復への一歩を踏み出す良いエンディングなのですが、当事者はヒヤヒヤしながら観ることになります。
特にジェフがレキシーを迎えにきてインターホンを鳴らすも、レキシーが床から起き上がれないシーン。
「ジェフ、入ってきて! 助けてー!」
と叫びながら観てしまいました。
でも、ここまでハッキリと「躁鬱病が主人公」の映像って見たことなかったので、新鮮でした。
それに、躁鬱病が自分ではどうにもできない「カセ」になりますので、ストーリーを作りやすいっていうのはありますね。
(ストーリー作りにはカセが必要と言われています)
最後まで見て、「結局、医者と薬か」とは思ってしまいましたが、まあアメリカドラマですし30分ですから仕方ないですね。
ハラハラヒヤヒヤしたものの、躁鬱病をエンタメ化してくれた作品ですし、なんとてアン・ハサウェイですし、気になったらぜひ観てみてください。
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