2020年に読んで良かった本ベスト3は、以下の3冊。
1位 『自分の薬をつくる』坂口恭平 著
2位 『ぼくたちは習慣でできている』佐々木典士 著
3位 『無気力の心理学』多野 誼余夫 著, 稲垣 佳世子 著
特に、『双極性障害を治すチャレンジ①』でも書きましたが、『自分の薬をつくる』は私の生活にとても役立ってます。
以前の記事では「私の生活にどう取り入れたか」のみの記事で、あまり本の内容に触れていなかったので、今回は本全体についてご紹介します。
「自分の薬をつくる」ってどういうこと?
本書で紹介される「自分の薬をつくる」とは、「日課をつくる」ということ。
その際、重要なのは「アウトプット」行為を入れることです。
鬱状態、つまり何事にも好奇心を抱けない状態というのは、「インプット過多」な生活によって体がそれ以上の情報のインプットを拒否している状態。
そして、インプットに対して、情報のアウトプットは、ウンチのようなものですよね。
食べたら出す、ができていないと調子が悪くなるのは当然のことです。
つまり、「日課を作りアウトプットを生活に組み入れることによって、体の調子をもとに戻そうぜ!」。
これが「自分の薬をつくる」ということです。
この際、アウトプット方法は文章でも絵でも音楽でも構いません。
この本を読んだ時は「アーティストの人っぽい主張だなあ」とも思いましたが、現代の生活が「生き物としての人間の機能」に即していないために病気や不調が引き起こされる、というのは色々な場面で見聞きする話です。
そう考えてみると、確かに、人間はもともと表現する生き物。
古来より感情が溢れると、歌ったり踊ったり、描いたりしてきました。
それと比べると、現代の私たちの生活って、表現の機会、少な過ぎる気がします。
朝起きて、TVでニュースを見て、電車に乗りながらスマホでSNSを見て、会社に行ってメールチェックをして、仕事して、帰って、テレビやYoutubeを見て、寝る。
インプットばっかりや。
そりゃあ、調子も悪くなりますわ。
日課って効果あるの?
本の著者の坂口さんは「薬を飲まなくて良くなったし、治った」と仰っています。
Twitterでも去年「鬱抜け365日経過」と報告されていました(うらやましい)。
私も現在、日課を生活に取り入れて8ヶ月目であり、薬をやめて3ヶ月目です(医者に相談しています)。
今のところ薬をやめたことによる揺り戻しもありませんし、精神的な苦しさも減っている気がします。
医者から出された薬を飲んでも治らない。だったら自分で治そうよ。
そもそも双極性障害については、医者が治らないと言っています。
私も、どの病院でも言われました。
全国の躁鬱人たちは病院で絶望の底に突き落とされているのです(笑)
そのまま一生を過ごすのも嫌だし、人生もったいないし、だったら、自分で治す努力をしてみよう。
坂口恭平さんのように、「治した!」と言っている人がその方法を公開してくれているのなら、少し試してみるのは有りなんじゃないかと思います。
医者の言うこと聞いても治らないんだったら、ねえ。
この本の意義
この本が書かれた意義って、大きいんじゃないかと思います。
双極性障害を自力で治した人が、その方法を書いた
双極性障害と診断されて「一生治らないんかー、はー、残念」と思っている人、きっと多いですよね。
この本は、その人たちに希望を与えました。
落ち込み方の症状は皆同じだから、共有することで更なる落ち込みを回避できる、と指摘した
坂口さんは、「いのっちの電話」という、死にたい人に電話で相談にのる活動をしているのですが、「皆、落ち込み方に個性がない」と指摘しています。
延々と過去の出来事を反省したり、ネットでまとめ記事を読んで「自分のことだ」と不安になったり、やっていることが同じなんだそうです。
私もやってますわ(笑)
皆、しているんですね。
でも、落ち込んでいる時って、誰にも相談できず、「こんなに苦しいのは自分だけだ」と思って絶望して、さらに落ち込んでいくという、魔のスパイラルです。
この本を読んで、落ち込んだ時の行動・思考は皆同じ、つまり「症状」だ、と知りました。
そして、知っているだけで、全然違います。
自分の思考を客観観できるようになりました。
『それってPMS? 生理前のイライラと付き合う方法』にも書いたのですが、PMSの症状を知って「イライラは自分のせいじゃない」と気づくことにも似ていますね。
以上、簡単ですが『自分の薬をつくる』のレビュー・感想でした。
生活に取り入れて半年以上経つので、実感も込めて書かせていただきました。
躁鬱に思い当たる部分があったりする方は、一度読むと「生活を変えて心をラクにするヒント」がつかめるのではないかと思います。